語られなかった皇族たちの真実
若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」

  竹田恒泰 著

  小学館 1365円

  発売日 平成17年12月12日

【序章から抜粋】
 本書では「皇族とは何か」というテーマについて掘り下げる。皇族の役割は多岐に亘るものの、本質的には次の2点に集約されると私は考える。第一に「皇統の担保」、第二に「天皇の藩屏」である。

 第一の「皇統の担保」とは、いざ皇統が途絶えそうになったとき、皇族が皇位を継承するという役割のことで、皇族は皇統の危機に備えて血のスペアとして存在しているということである。そもそも宮家は皇統を安定的にするために創設された制度であり、それこそが皇族の本質的存在意義である。本書は第一章で実際の皇統断絶の危機に当たり、傍系の皇族が即位した幾つかの例を示し、皇統を維持するために補足的に機能した女帝について述べ、そして万世一系がいかに保たれてきたかということを明らかにする。

 第二の「天皇の藩屏」とは、天皇の近親者として、天皇を支え、守る役割のことである。天皇は歴史の教科書に頻繁に登場するが、皇族に関してはほとんど語られることがない。しかし、日本の歴史上、いつの時代も皇族がいて、天皇を支え、歴史的に重要な役割を担ってきた。皇族を語らずして日本の歴史を語ることはできない。そこで、本書は皇族がどのように天皇を支えきたのかを明らかにするため、第二章から第四章にかけて、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦から占領期にかけての皇族について掘り下げる。

 ではなぜこの時期に皇族について本を書くことにしたかといえば、近年盛んに皇室制度改革が議論されるに至り、政治家・官僚・学者などがこの問題について、日本の歴史を振り返ることなく、あまりにも軽々しく意見を言うのに危機感を覚えたからである。皇室制度改革は、日本の歴史の重みを十分に認識した上で、慎重に議論を進めるべき問題である。私はこの本を一人でも多くの方に読んでいただき、皇室について理解を深めてもらいたいと願っている。

 2000年を越す皇室の歴史の中で、女性天皇も存在し、皇統断絶の危機もあった。なぜ、女性天皇が誕生したのか、そして皇統断絶の危機に際して先人たちは、どのように対応したのか。その歴史を振り返ってみたい。

著書紹介

序 章 竹田家に生まれて

第一章 万世一系の危機
       1 後桃園天皇崩御
       2 世襲親王家と側室制度
       3 なぜ男系継承にこだわったか

第二章 戦争と皇族
       1 開戦と皇族
       2 皇族たちの終戦工作
       3 東条首相との対決

第三章 終戦と皇族
       1 終戦の詔書
       2 皇族男子召集

第四章 占領下の皇族
       1 東久邇内閣
       2 十一宮家の皇籍離脱

終 章 雲の上、雲の下



【産経新聞 書評 平成18年1月7】
教科書が教えない皇室の歴史

 本書の出版が報じられてから、新聞、テレビ、雑誌など多くのメディアの取材が著者の竹田恒泰氏に殺到した。いくつかの取材に同席する機会を得たが、皇位継承の問題を取材するメディア関係者ですら、「女性天皇」と「女系天皇」を混同しているケースがみられたのは驚きだった−−。

 昨年十一月、「皇室典範を考える有識者会議」が、皇位は男女問わずに長子が継承するという答申を提出した。およそ二千年にわたって連綿と男系でつないできた皇室のあり方を、根本的に見直す歴史的な決定を、有識者会議は、わずか三十時間の議論で結論を出してしまったのだ。もとよりそのことは、有識者会議の議論がスタートする以前から予想されていたことだった。本書の企画は、有識者会議が今回のような結論を出すことを見越した上でスタートしている。執筆開始は、有識者会議が正式に発足した二〇〇五年一月のことだ。

 『教科書が教えない歴史』というベストセラーがある。本書の内容は端的にいえば、「教科書が教えない皇室の歴史」といって差し支えない。

 天皇は日本国の象徴と憲法で定められていながら、その歴史、あり方を学ぶ機会が驚くほど少ないことを本書の編集を通じて痛感した。冒頭に紹介した「女性天皇」と「女系天皇」の混同が、そのことに理由があるとするならば、本書が担わなければならない役割は大きい。

 多くの旧皇族が、この問題に口を閉ざすなかで、著者はあえて発言することに踏みきった。それはなぜか。その熱い思いに触れるのも本書を読む醍醐(だいご)味のひとつだろう。(小学館・一三六五円)

 小学館「DIME」編集部 今井康裕  原典



amazon.comのカスタマーレビューから抜粋

●自らの先祖と向き合って書かれた良著, 2005/12/13
レビュアー: M-YAS (千葉県)
自らの先祖の歴史に向き合い、できうる限りの資料と向き合って書いた良著と言えましょう。
若干、学術研究書の参考が少ない気もしますが、ちゃんと基本資料は抑えています。
また、戦前、戦中の一世代前、二世代前の皇族の実像に肉薄できているようにも思います。

●平易でわかりやすく、それでいて濃厚な一冊, 2005/12/26
レビュアー: 源次郎 (東京都)
はっきりいってこの本を読むまで「女性天皇」と「女系天皇」の違いがよくわからなかった。本書の平易でわかりやすく、それでいて濃厚な記述ですっかり理解できた。皇室の歴史、戦争中の皇族の働き、天皇家の親族として穏やかに終戦を迎えるべく尽力した話、そして、皇籍を離脱しなければならなかった事情。どれも初めて接する話だったが、資料を駆使した記述は臨場感もある。
そして、何よりも旧皇族一族の生活ぶり、躾など知られざる一面も描かれているため、かなり読み応えのある一冊になっている。

●とても面白く、読み易い本だと思います。, 2005/12/29
レビュアー: NAO4 (神奈川県)
小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は、女系天皇を容認する方向ですが、本書は天皇家2000年の歴史に照らし合わせて、あまりに短時間の議論に疑問を呈しています。過去に起きた3度の皇位継承の危機、「継体天皇即位」の時、「後花園天皇即位」の時、「後桃園天皇崩御」の時、傍系男子が皇位を継承し、直系女子を皇后に迎えて、皇統を守った例が記載されています。本書の大半は、皇位継承問題より、戦前に宮家が皇室と日本のために果してきた役割が詳述されております。また、直宮家と違って一見血縁関係が遠いように見られる旧皇族(伏見宮系)ですが、明治天皇の皇女を妃に迎えるなどして、天皇家と近い血縁関係にあることが分かります。

●皇室の歴史を振り返る本としての意義, 2005/12/30
レビュアー: penguin "寒さは苦手" (南極)
女性・女系天皇関連でいくつも本が出ているが、その中では1番面白い本だとは思う。
ご存知の通り、著者は『旧皇族』の子孫であり、現在の皇室典範の『男系の男子』という部分にこだわるのなら、将来の天皇候補の1人にもなってしまう人間だ。
皇室の方々が、この問題に対する表立ったコメントを差し控える中、『旧皇族』の子孫が堂々と本にまでしてしまうというのは、なかなかに興味深い。
今こそ伝統にこだわれ!と声高に主張してるわりには、行動は非常に『今どき』だなぁととても感心してしまう。
そして序章には、ご自身の生い立ちを書かれているが、いかに自分は他の人と違うかとの自慢話にしか聞こえず、苦笑いしてしまった。
まぁ、そうは言っても、皇室の歴史を振り返る本としては、よくまとまっているとは思う。
女性・女系天皇の何が問題なのか、具体的に書かれていると感じた。
ぜひ、これに対する反論を、皇室典範に関する有識者会議メンバーのどなたかに書いてほしい。
このまま、大した議論がなく皇室典範が改正されるのは、やはりおかしいと考える。

原典

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