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「巾着のススメ」

 僕は財布を持たずに普段から巾着を使っている。
 小銭を巾着に入れて腰にぶら下げているのである。
 大き目の手帳を持っているため、お札、カード類は手帳に挟んでいる。
 巾着には一般的な小銭入れにない不思議な魅力があって、使い始めるとなかなか手放せない。
 巾着は色々な種類があるものの、鹿皮で作られているのが一般的で、ヒモで口が閉まるようになっている。
 布製の巾着もあるが、毎日携帯するのであれば丈夫な鹿皮がおすすめ。
 漆で模様を付けた素敵な巾着が売られていて、見ていてとても楽しめるのである。
 鹿皮製の巾着は「印傳」(いんでん)といわれている。
 僕が愛用しているのは紺色の印傳で、紺色と朱色の漆でトンボをあつらえてある。
 昔武田信玄が好んで使っていた印で、トンボは勝利の象徴で、「勝ち虫」として好まれていた。
 僕もこの「勝ち虫」を持って、すこし運勢が良くなったような気がする。
 日本では江戸時代まで財布といえば巾着であった。
 昔の人は着物の袖に忍ばせたり、根付を付けて帯に引っ掛けたりして、中に小銭を入れて持ち歩いていた。
 現在はモノが溢れているため、男性が何か自慢しようと思ったら、時計、車、ライター、マンションなどきりがないが、その当時は巾着が男のステータスであったようだ。
 といっても巾着は男だけのものではなく、女性にも広く使われていた。
 「素敵な巾着をお持ちですね、、、、」
 なんていわれて女の子にもてたりしたのである。(今は巾着そのものが珍しいため、そこから話が始まって結果としてもてたりすることもある。)
 少なくとも今ルイヴィトンの財布を持っていても少しももてはしないだろう。
 巾着を持ち始めると海外のブランドなんか少しも魅力を感じない。
  ブランド製の財布は長持ちせず、あまり使いこなしているとみすぼらしくなってくるものであるが、印傳の巾着は丈夫で長持ちする上に、使い込むほど渋くなって美しさを増してくるのがなんとも嬉しいではないか。
やはり日本人たるもの、純正日本ブランドを愛用してみてはどうかろうか。
 
【買える場所】
 都会で求めるなら、デパートの呉服売り場、呉服店、浅草仲見世など
 金額の目安:高くても5000円程度


竹田恒泰

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