資源大国日本

日本には資源が無いといわれる。確かに日本には石油や天然ガス等の資源は無く、石油は九九・七%、天然ガスは九五%を輸入に頼っている。しかし本当に日本に資源が無いかというとそうではない。実は日本には化石燃料が無いだけで、それ以外に必要な資源は日本国内にある。たとえば豊富な水、そして国土のほとんどを覆う広大な森林は他の国々がうらやむ貴重な資源であり、財産なのだ。

そして日本にはその他にも豊富な資源がある。地域ごとに資源問題を考えてみよう。たとえば畜産業が盛んな地域では牛のウンコで電気を作ることができる。これはまさに糞力(くそぢから)発電と呼ぶにふさわしい。これで牛一頭分のウンコで一般家庭一件分の電気をまかなえる。牛のウンコを発酵槽に投げ入れ、発生したメタンを内燃機関、つまりエンジンに投入して電気を起こす簡単な仕組みだ。

また林業が盛んな地域では木質ガス発電という発電方法が適している。おが屑を過熱することでガスを取り出し、それを内燃機関に投入して電気を取り出そうというものである。おが屑は本来廃棄物であるが発電用資源として利用することができる。 そして、日本中どこにでもある小川を利用して発電することができる。流れる水が水車を回転させると電気を発生させる単純な発電方式だ。ダムを利用した大規模な水力発電とは区別して小水力発電と呼ばれている。日本でも多くの場所に設置されている風力発電は有名であるが、小水力と風力は一度装置を設置してしまえば、石油などの燃料を投入することなく電気を作り続けてくれる極めてクリーンな電源である。

一方大都市ではゴミを燃料とし、燃やす際に電気を取り出すゴミ発電が可能である。燃えるゴミはいずれ燃やされるわけであり、火力発電の要領でそのゴミを燃やすときに電気を取り出すことができれば一石二鳥というものだ。 注目してほしいのはこれらの方法のほとんどはすでに何十年も前からできあがっている技術であるという点だ。今は科学の最先端としてのハイテクがもてはやされる時代であるが、実はハイテクよりもローテクに未知の可能性が秘められているといえる。実はローテクほど技術的な完成度が高いわけで、事故が起きにくいうえ、万が一事故が起きたとしても装置が小規模であるため、大惨事にはなりえない。

また日本近海には膨大なエネルギー資源が埋蔵されていることが分かり始めてきた。これは海中でメタンがゼリー状に固化した、メタンハイドレードと呼ばれる資源で、現在採掘方法が研究されているが、実用化すれば文字通り、使いきれないほどの化石燃料を手にすることができる。 このように日本には必要な資源は豊富に存在しているのだ。石油に頼りきった社会は、戦争やオイルショックなどでめまぐるしく変動する石油情勢に怯え続けなければいけない。様々なチャンネルで日本のエネルギーを支えることで、初めて安定したエネルギー政策を実現することが可能になるのだ。

竹田恒泰
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