危険な環境ビジネス

あちこちで環境ビジネスを耳にするが、「環境に優しい」と言う謳い文句で様々な商品が売られている。「環境グッズ」・「環境対策商品」などと呼ばれているが、それらの商品郡は余りに多様であるため、何を選んだら良いのか判断に迷うことも多いことだろう。しかし環境に優しいとされながらも頭をひねってしまうような見当違いの商品も少なくない。「玉石混合」、いやかえって有害なものも含まれているので「玉毒混合」とでも言おう。

最近ではブームが過ぎてしまったが、一時期「抗菌グッズ」なるものが大流行したことがあった。「抗菌」と聞けば清潔なイメージを持つ人が多いと思う。植物由来で抗菌効果があるものを原料とするならば害のある商品ではないが、多くは何と農薬を練りこんで「抗菌グッズ」と称していた。農薬を練り込んでいれば効果てきめん、菌は死滅するに決まっている。それが「清潔」ということなのか。

平成十年頃は特に抗菌ブームで、市販されているほとんどの歯ブラシに抗菌が施されていた。ブラシの部分に農薬が使用され、その農薬が溶け出すのか否か議論を呼んだことがある。もし溶け出すのであれば殺菌効果は絶大であるが、人体に及ぼす悪い影響も絶大である。一方もし溶け出さないのであれば殺菌効果は無い替わりに人体にも悪影響を及ぼさない。いずれにしても歯ブラシに農薬を使用する価値が無いことは小学生でも理解できる。

次に掃除機に取り付ける取り替え用の袋に多量の農薬が使用されていることについて指摘しよう。掃除機内で細菌類が増殖することを抑えるために農薬が使用されているのであるが、掃除機を使い始めると排出口から農薬が噴き出すため、室内の農薬濃度が急上昇し、頭痛などの症状がでる場合がある。裏返せば頭痛を引き起こすほどの農薬濃度になっているわけだ。経験がある人も多いことだろう。掃除機を使用する場合、換気をしなくてはいけないのは主に農薬が原因である。 それ以外にも、多くの生活日用品や建設部材に農薬が使用される例が多く、「家庭内農薬」と言わしめたのである。「農薬を使うことで便利な側面があるが人体に悪影響がある」と説明されるならともかく、「抗菌」と称し、「清潔」をアピールし、しまいには「環境商品」と言われた日には情けなくなってしまう。

電気自動車も環境に優しいと謳われている。排気ガスを出さないから環境に優しいらしい。では聞こう。石油を燃やして電気を作っているのではなかったか。ウランを燃やして電気を作っているのではなかったか。自分の町で排気ガスを出さないなら、火力発電所で排気ガスが出ても良いのか。原発から出された高レベル放射性廃棄物が青森県に運ばれて自分の町にこなければそれでよいのか。 モノが売れない時代に企業が何とか売上を立てようと必死になって出た台詞が「環境」なのである。消費者一人一人が賢くなって良い商品を買い、悪い商品を買わないようにするしか方法は無いようだ。

竹田恒泰
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