環境最先進国キューバ

今キューバが熱い。なぜならキューバが環境に関しては世界の最先端を走っているからである。 米国は一九五九年のキューバ革命以来、キューバに対して経済制裁を続けている。そのため現在も石油・食料を始め工業製品等の輸入がほとんど行われていない。経済制裁を受けた国と言えばイラク、北朝鮮が有名であるが、特に北朝鮮は軍事力を高めてそれを外交の切り札としてきた。その一方、石油を手に入れられなくなったキューバは北朝鮮と全く反対の発想をした、石油を輸入できないのであれば一層のこと、石油が一滴も入らなくても自給できる国を作ればいいということで国策を一八〇度転換したのである。

その結果、キューバは短期間の内に環境最先進国、そして農業大国として生まれ変わった。石油がないのなら車に乗るなということで、政府は中国から大量の自転車を買い占めて国民に配布し、農業を始める家に対しては牛を無償で配ったのである。今まで軍事費に投入していた予算のほとんどは農業に投入されることになり、技術指導から苗木の提供、その他必要な援助は全て国が面倒をみるシステムができあがり、いち早く循環型の社会を実現させた。これは各国が夢見る大事業である。

キューバの首都ハバナは人口が二百万人を超える。札幌の人口を上回るこの大都市が自給自足を実現している。このように簡単に書いてしまうとそのすごさが伝わらないかも知れないが、実はこれは大変なことであり、世界の常識としては不可能だと思われていたことである。大都会ハバナでも平面という平面はことごとく畑となり、ビルの屋上などは全て緑化された。キューバの都市は全て地域自給型の循環型社会を実現した。石油を使わない社会は大規模輸送を行わない。従って都市ごとに自給する必要がある。これだけの大転換は独裁政権であるがゆえに可能であったと思われるが、最高のお手本であることは間違いがなく、日本も大いに参考にするべきであろう。

竹田恒泰
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